2012年1月9日月曜日

三流メーカーが学ぶアップルの6つの戦術 その1

アップル信者なんて言われたくないですが、新製品を毎度楽しみにしてます。新しい市場を次々と開拓し、他社が参入してきた後も存在感を保ち続け、他社製品が安売りされる中でアップル製品は定価で買われていきます。
一方、アップルのようになれない他のメーカーは全くふがいないものです。
自分もメーカー勤めのエンジニアであるので、アップルにうっとりしている場合なんかではありません。アップルから技術や戦略を学び取り入れて、自らの血肉にしていく必要があります。

と言うわけで、ネットや本から情報収集した内容を、自分自身のためにも整理してまとめてみました。

ちなみに、情報の多くは『メイドインジャパンとiPad、どこが違う? 世界で勝てるデジタル家電(西田宗千佳 著)』から得ました。この本は新書の割に内容が濃く、アップルに関する話だけでなく、液晶テレビ、ゲーム機、ケータイ業界の事情などにも触れていて、大変面白かったです。

1.筐体のデザインとコストの両立
アップル製品の外観は、見栄え良く、剛性にも優れていて、他社と比べて一線を画しています。まあ言うまでもないことですが。
当然、他社製品と比べてコストは高いはずですが、ここで注意しておきたいのは、彼らはコストを度外視しているわけではなく、むしろ合理化によるコスト圧縮を徹底しており、コスト圧縮とデザインの両立を追求している、ということです。

例えば、Macbook Airはアルミニウムの削りだしによるユニボティを採用しています。
アルミのユニボディは見た目だけでなく、質感、剛性などユーザーエクスペリエンスも全体的に向上させますが、アップルが向上させているのはユーザーエクスペリエンスだけではありません。

『メイドインジャパン〜』によると、アルミニウムは鉄やプラスチックに比べて再利用性が高く、削りだし処理で発生したアルミくずは再利用できます。また、ユニボディによりパーツ数が減るため、組み立てはシンプルで簡潔になり、中国での大量生産を容易にします。
ちなみに、「削りだし」は「プレス」よりも技術的難易度が高いですが、高度な工作機械をいったん導入すれば大量生産が可能です。 『メイドインジャパン〜』によると、実際にアップルはファナック(日本)のマシニングセンタを導入しているとの話です。
(1月20日削除・・・「削りだし」は「プレス」に比べて加工に時間がかかるため、一般的には量産には向かない技術として知られていますが、アップルのEMSはファナック社のマシニングセンタを購入し、削りだしで大量生産を行っているようです。しかし、この記事のテーマである生産性の改善やコスト圧縮との結びつきは不明なので、いったん削除しました)
Macbook Air分解写真(iFixitより)

iPhone4(s)の場合は、本体の両面にガラスを貼り合わせた筐体になっています。これもアルミステンレス枠(1月20日訂正)とガラス二枚の3パーツ構成であるゆえ、組み立て作業が容易になります。

iPhone 4S分解写真(iFixitより)

コストのためにデザインを犠牲にするのでも、デザインのために生産性を損なうわけでもなく、コスト、生産性、デザインの両立させたアップルの設計はさすがです。
それに比べると、Made in Japanを謳うどこぞのパソコンは、生産性を考慮した設計がされていない、つまりは設計のレベルが低いと言えそうです。

その2に続く

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