2.iOSのメンテナンス性の良さが生んだ破壊的イノベーション
iPhoneやiPadの良さの一つに、新機種に搭載された最新OSが、旧機種にもタダで提供される、という点があります。OSがアップデートされるたびに新しい機能が使えるようになるので、例え古い機種だとしても飽きることなく使い倒せます。
それ以前のフィーチャーホン(ガラパゴス携帯)やパソコンでは、新機種に搭載された最新ソフトウェアが旧機種にも無償リリースされることはなく、ソフトウェアに対する価値観を覆しました。
アップルはなぜ無償でOSアップグレードが実現できたのか?
ここで疑問があります。
最新ソフトウェアの無償提供という、フィーチャーホンやパソコンでは実現できなかった、あるいは敢えてやらなかったことを、アップルはなぜ実践したのでしょうか?
理由は、フィーチャーホンやパソコンとはOSの調達方法や管理方法が異なるという点にあります。
パソコンに搭載されているWindowsは、パソコンメーカーがMicrosoft社から購入しています。Microsoft社にとってライセンス料はWindowsビジネスの収益源であるため、最新OSへの無料アップデートは不可能です。
iPhone、iPadの場合は、アップル社が自社開発したソフトウェア「iOS」を採用しています。iOSは、iPhone/iPadの歴代ラインナップに共通で使われています。
フィーチャーホンの場合も、ケータイメーカーがソフトウェアを自社開発していますが、製品ラインナップの各製品合わせて個別にソフトウェアを開発しています。メーカーは、各キャリアの要求を受けて次の機種をデザインしていくので、それぞれの機種が独自性を持ち、共通化ができないのです。
一方、iPhone/iPadの場合、複数の機種をまたいで同じCPUを採用していること、ソフトウェアのデザインや機能も共通化することで、ソフトウェアの大部分を各製品で共用し、スマートなソフトウェアの管理を実現しました。
これにより、最新OSを古い製品にも対応させることは容易になります。
Android端末におけるOSアップグレードについて
次は、iPad/iPhoneのライバルであるAndroidケータイ/タブレットについて考えてみます。
Android端末メーカーの中には、旧製品への最新OSアップグレードをサポートしているところもあります。AndroidはGoogleが提供する無料のOSであるため、容易に実現できるかのような印象を受けます。
しかし、アップルによる最新OSの無料アップグレードと、Android端末メーカーによるそれは全く違う意味を持つと、自分は考えています。
アップルの場合は、最新機種の出荷に合わせていっせいに旧機種へのOSアップグレードを展開します。世間の注目度を高め、旧機種ユーザーに最新OSをモニターさせることで口コミを広げるわけです。
しかし、Androidの場合は、そうはなりません。最新OSの認知度を上げたり、ユーザーに最新OSをモニターさせても、必ずしも自社のAndroid端末を買ってもらえるわけではないのです。
しかし他のAndroid端末メーカーがそれをやるのであれば、メリットがなくても、余分な費用が必要になっても、自社もやらなければ競争に負けてしまいます。
アップルが巻き起こす破壊的イノベーション
アップルによる旧機種へのOSアップグレードという取り組みは、アップルにとっては効果的なキャンペーンですが、Windows/WindowsPhoneのビジネスモデルを根底から破壊し、Android端末メーカーをも不毛な消耗戦に巻き込みました。
アップルのひとり勝ちです。うまい戦略だと思います。
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